水の沸点は大気圧1,0kg/cm2の時は100度ですが、気圧が低くなれば沸点は下がりますし、気圧が高くなれば沸点は上がります。
よく高い山の上など気圧が低いところでは米をうまく炊けないという話を聞きますが、これは沸点が低いためです。液体は沸騰した温度以上には上がりませんから、例えば100度になる前に沸騰してしまう高い山の上ではうまく米は炊けない訳です。
逆に、気圧が高くなれば100度を超えても沸騰しません。この原理を利用しているのがラジエター・キャップです。
ラジエター内の冷却水の温度が上がれば当然圧力も上がります。この圧力を逃がさず高い圧力を冷却水に掛け、沸点を上げるのがラジエター・キャップの役目です。
1,1kg/cm2のラジエター・キャップを付けていると、大気圧1,0kg/cm2+1,1kg/cm2ということですから合計2,1kg/cm2の圧力が掛かるということになって、沸点は120度くらいになります。1,6kg/cm2だと合計2,6kg/cm2で沸点は127度くらいになります。
冷却効果は外気温と水温の差が大きいほど高くなりますから、1,6kg/cm2のラジエター・キャップの方が冷却効果が高いというわけです。
ただし、ラジエター・キャップにはラジエター内の圧力を調整するという働きもあります。高圧力のラジエター・キャップを使う時は、冷却通路に負担が掛かりますから、ラジエター・ホースなどが劣化している場合は注意が必要です。 |