*その

(この物語は実際の作業工程を追ったものですが、登場人物とその会話は一部フィクションです。)


「エンジンなんか絶対に開けたこと無い」「大丈夫、大丈夫!」のはずだったんじゃないの?ケンジ君。

「おっかしいな〜?前の持ち主に聞いてみたんだけど覚えてないって言うんだ」
こんないじり方をして覚えてない訳が無いと思うんだが・・・。

ともかく、先に進もう。


燃焼室はどれもカーボンで真っ黒だが、特に3番(右から2番目)のカーボンが多い。

バルブを外す。

バルブの当たり面の幅はどれも広がってしまっている。
当たり幅はほとんどのバルブが1ミリ以上あるので使用限度を超えてる。
当たり面にはピンホールも出ている。


勿論ガイドと一緒に
交換。

バルブのアップ。

右が4番、左が3番。手前が排気、奥が吸気。
3番のカーボンが明らかに多いし、油っぽい。
やっぱりここからオイルが下がっているのは間違いなさそう。

写真の順序と後先になるが、実はヘッドを外した時にとんでもないものを発見。

ヘッドを外すと当然ピストンの頭が見える訳だが、これが一目でノーマルじゃない!


分かるかな?
このピストンヘッドの盛り上がりの大きさとバルブの逃げの大きさ。
けっこうなハイコンプピストンだしボアも大きいんじゃないか?

さて何が出てくるか。興味半分不安が半分(?)。

シリンダーを外してみると・・・。



(ジャ〜ン!出た!ヨシムラだ!)

何と!ヨシムラの860ccピストンが入っている。

だから先にエンジンを開けてみた方が良いって言ったじゃない。
取り寄せたノーマルのピストンリングとヘッドガスケットが無駄になっちゃった。

「ゴメンゴメン、部品は引き取るからさ」


ともかく、ヨシムラのヘッドガスケットを再注文しなきゃ。

他は大丈夫かな?
改めて調べてみるとカムもヨシムラでした・・・。


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